さくらびと。美桜 番外編(2)
数日後、二人はハワイに到着した。




ハワイの夜は星が違って見えていた。




宝石を撒いたような天蓋の下で、美桜はベランダのデッキチェアに横たわり、水平線をぼんやりと眺めていた。




昼間のウキウキした表情はどこへやら、今は海と同じ色の虚ろな瞳をしている。






「寒くない?」





裕紀が毛布を持って隣に座る。






「うん……」




美桜の返事は風にさらわれるように弱い。






「ねぇ裕紀……」







言いかけてまた黙る。波の音だけが二人の間を埋めていく。







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