さくらびと。美桜 番外編(2)
「うわぁ……」





ベンチに腰掛けた美桜から思わず溜息が漏れた。




頭上には薄紅色の天蓋が広がり、風に舞う花びらが降り注ぐ。それはまるで天国への通路のようだった。





「すっごく、綺麗…!」




「うん……」






裕紀は答えながらも美桜の姿から目が離せなかった。




頬はさらに痩け、着物の襟元からは鎖骨が浮き出ている。





しかし不思議と今日の彼女は輝いて見えた。






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