クズ男の本気愛
「だって、先輩が嘘なんかつく人じゃないって分かってるから好きになったんですよ。浮気? しかも、散々付きまとって来てたあの元カレと? ありえないでしょ。何か事情があったんだって思う方が普通。これで信じない方がおかしいです」

「……霧島くんはきっとそう言ってくれるだろうって思ってた。でも心のどこかで、愛想尽かされたらどうしようって……薫さんと会うって言ってたし……」

「え、何で知ってるんですか」

「薫さんから電話が来た……」

「あーなるほど。会ってきちんと説明しようと思ってたんですけど、ちょっといろいろ仕組んできました。あのタイプは、結構引っ掛かりやすいんですよ」

 にやりと彼が笑ったので首を傾げる。一体何をしてきたというのだろう。

「でも、それで先輩を心配させたのは俺が悪かったです。すみませんでした」

「ううん、謝ることは何も……!」

「ただ、今話を聞いてやるべきことはもっとあったんだなって分かりました。明日と明後日の休みで白黒つけようと思っています」

「え……? どうするの?」

 そう尋ねたが、彼は答えずこちらの頬にキスをしてきただけだ。

「少しだけ待っててくださいね。俺、頑張るから」

 




 
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