ぜんぶ、ちょうだい。
8th Mission



きてしまった!
始まってしまった!

待ってなかったのに!

文化祭!!

朝から校内は人だらけで、どこを見てもにぎやかで、もうそれだけでテンションが追いつかない。
なのに私はというと――



「はぁ……」



裏のほうで、新しいタレを作りながら、思わずため息。



「こまちゃん!人手足りてるから、呼び込みしてきてってさ~!ほら、看板もらった!」



ひまちゃんが、いつも通りの元気さで駆け寄ってくる。
その笑顔、まぶしい。ほんとに。

焼き鳥屋。
文化祭っぽいって言えばそうなんだけど、実際はエプロンをつけてるだけの簡素スタイル。
可愛い?ううん、全然。



「……この格好で歩くの、なかなかの羞恥プレイじゃない?」



看板を受け取りながら、思わずぼやく。



「えー?全然じゃん!文化祭だよ、文化祭!」



そう言われると、ぐうの音も出ない。

それでも私は、ひまちゃんの横を歩きながら、口を尖らせた。


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