ぜんぶ、ちょうだい。



チョコバナナを受け取るかどうか、迷って、迷って。
手が中途半端な位置で止まる。

清水のこと、このままじゃいけないって、分かってる。

ちゃんと、分かってるのに。

ひまちゃんは、また一つため息をついた。



「ねえ、こまちゃん。泉先輩だってさ。ほんとは、そんな気持ちだったんじゃないかなぁ」

「……え?」

「こまちゃんと清水とは、関係性が違うけどさ。泉先輩だって、こまちゃんの気持ちに応えられなくて、きっと、かなり悩んだんじゃない?」



……そんなの。



「それは、ないんじゃないかなぁ?」



笑おうとした。
でも、うまく笑えなかった。



「私が一方的に好きで、追いかけまわしてただけだし。ほんと、迷惑だったんだと思うよ」



言葉が、勝手に並んでいく。



「私がいなくなって、清々したんじゃないかなっ」



明るく言ったつもりだった。
元気な私、を装ったつもりだった。

でも。

自分で言っといて、こんなに悲しいこと、ない。

胸の奥が、ぎゅっと潰れる。

昨日の今日で。
すぐに切り替えられるなら。

こんなにも、好きになってない。


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