ぜんぶ、ちょうだい。
焦る私を見て、水元先輩は笑って立ち上がる。
「大丈夫だよ、ごめんね」
「いやいや!猪みたいに走ってた私が悪いので!」
「猪って……」
水元先輩はクスクス笑った。
今日は全体的にゆるく髪を巻いていて、綺麗というより可愛い印象。
髪型ひとつでこんなにも印象が変わるんだ、と改めてポテンシャルにびっくりした。
「そんなに急いで、もしかして、かおのこと探してる?」
「へっ!?」
あっ……そういえばこの人、私に宣戦布告してきたんだった!
まだ、泉先輩のことが好きなんだ……。
目の前の水元先輩は、やっぱり私じゃ到底太刀打ちできないような美貌を持っている。
でも。
泉先輩を思う気持ちだけは、負けたくない。
「私、どう考えても、泉先輩のことが好きです!例え両想いになれなかったとしても、それでも好きなんです!伝え続けることだけは諦めたくないし……。もし、水元先輩が泉先輩と付き合ったとしても、私は毎日泉先輩に愛を伝えますからね!水元先輩は、毎日私に邪魔される覚悟はできてますか!?」
私よりだいぶ高い身長の水元先輩に向かって、強気でそう言う。
でも、やっぱり見下ろされる立場。
かっこつかないなあ……!