ぜんぶ、ちょうだい。
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「吉川さ~ん?」
昼休み。
お腹すいたなー、早くごはん食べたいな~、なんて考えながらお手洗いを済ませて教室へ向かう私の背後から、やけに甘ったるい声が降ってきた。
「かおと、付き合ってるんだって?」
振り返るより先に、嫌な予感が確信に変わる。
「2年のくせに、生意気~」
……あ、これ。
完全に、アレだ。
気づいたときには、私は校舎裏にいた。
私の貴重なお昼ごはんタイムは、どうやらここで消費されるらしい。
背中には、逃げ場のない壁。
目の前には、知らない先輩が三人。
「かおに彼女はさぁ」
腕を組んだ先輩が、ため息まじりに言う。
「澄海レベルじゃないと、許せないんだけど」
「それな~」
すぐ隣の先輩が笑って、
「こいつ、っていうかさ」
ちらっと私を指差す。
「こいつを選んだ、かおにショックだわ~」
「私、1年のときから好きだったのに」
……おお。
これが、ひまちゃんの言ってた「呼び出されてリンチにあうやつ」ってやつですか。
なぜか、ちょっと感心してしまう自分がいる。