溺れるほどの愛は深くて重く、そして甘い
個々の唱える幸福論
水族館デートから、数カ月。
私たちの関係は、順風満帆だった。特に変わったことはないものの、今まで以上に平和な関係性。私たちなりの在り方で日々を大切に過ごしていた。それはきっと、あの時に行われた本音のぶつけ合いがあったから。今ではそう、断言できる。
とはいうものの、彼は御曹司で私は秘書。繁忙期を迎えれば、甘いことばかりは言っていられなかった。
私は智弘の執務室で変わらず秘書の業務に徹しているが、各部署の社員は連日の多忙で疲弊の色が濃い。幸いにも残業はそこまでなく、何とか定時近くには帰れる形態ではあるものの、仕事のスピードが異常だ。毎年ある繁忙期だが、ここを超えるのはなかなか大変。それは社員も理解しているからか、繁忙期に向けての事前準備が行われるほどだった。
そして今日、智弘は重要な取引先との打ち合わせのため、朝から社外に出ていた。滅多に席を外さない彼がいないだけで、執務室はどこか寂しい。私も同行する予定だったが、繁忙期に抜けるのは推奨されず、智弘直々に会社に残るように言われた。元は現場で働いていたため、苦労も分かると判断されてのことだろう。それも彼なりの信頼の寄せ方だと思った。
私たちの関係は、順風満帆だった。特に変わったことはないものの、今まで以上に平和な関係性。私たちなりの在り方で日々を大切に過ごしていた。それはきっと、あの時に行われた本音のぶつけ合いがあったから。今ではそう、断言できる。
とはいうものの、彼は御曹司で私は秘書。繁忙期を迎えれば、甘いことばかりは言っていられなかった。
私は智弘の執務室で変わらず秘書の業務に徹しているが、各部署の社員は連日の多忙で疲弊の色が濃い。幸いにも残業はそこまでなく、何とか定時近くには帰れる形態ではあるものの、仕事のスピードが異常だ。毎年ある繁忙期だが、ここを超えるのはなかなか大変。それは社員も理解しているからか、繁忙期に向けての事前準備が行われるほどだった。
そして今日、智弘は重要な取引先との打ち合わせのため、朝から社外に出ていた。滅多に席を外さない彼がいないだけで、執務室はどこか寂しい。私も同行する予定だったが、繁忙期に抜けるのは推奨されず、智弘直々に会社に残るように言われた。元は現場で働いていたため、苦労も分かると判断されてのことだろう。それも彼なりの信頼の寄せ方だと思った。