溺れるほどの愛は深くて重く、そして甘い
タクシーに揺られ、自宅へ帰る道すがら。
独特の雰囲気を感じたのか、タクシー運転手は何も声をかけてこない。ただただ無言が車内を占めていた。
不機嫌そうに車窓の景色を眺める智弘は、私の手を握ったままだった。無意識の内に、そっと手に力を込めてしまう。肩を跳ねさせて反応した彼は、なんとも言えない表情で私のとこを見つめた。そして、私の言葉をじっと待ってくれる。その優しさを感じながら、小さく口を開いた。
「ありがと。来てくれて嬉しかったよ」
「……本当は、もっと早く助けたかった」
「うん」
「…でも、約束も守りたかったから。美咲のことを、信じた」
それは、どんな感情から吐かれた言葉なのか。智弘にしては珍しくたどたどしい言葉を紡ぐと、私の存在を確かめるかのように、彼もまた手に力を込めてきた。
智弘は今日1日、どんな気持ちで私のことを見ていたのだろう。どれだけの感情を押し殺して、今隣に座ってくれているのか。
「…ありがとう」
家に帰ったら、ちゃんと話そう。
そして、
(私も、智弘のために変わろう)
___過去の自分との、正真正銘の決別を。
そんな覚悟のもと、私は静かに目を閉じた。
独特の雰囲気を感じたのか、タクシー運転手は何も声をかけてこない。ただただ無言が車内を占めていた。
不機嫌そうに車窓の景色を眺める智弘は、私の手を握ったままだった。無意識の内に、そっと手に力を込めてしまう。肩を跳ねさせて反応した彼は、なんとも言えない表情で私のとこを見つめた。そして、私の言葉をじっと待ってくれる。その優しさを感じながら、小さく口を開いた。
「ありがと。来てくれて嬉しかったよ」
「……本当は、もっと早く助けたかった」
「うん」
「…でも、約束も守りたかったから。美咲のことを、信じた」
それは、どんな感情から吐かれた言葉なのか。智弘にしては珍しくたどたどしい言葉を紡ぐと、私の存在を確かめるかのように、彼もまた手に力を込めてきた。
智弘は今日1日、どんな気持ちで私のことを見ていたのだろう。どれだけの感情を押し殺して、今隣に座ってくれているのか。
「…ありがとう」
家に帰ったら、ちゃんと話そう。
そして、
(私も、智弘のために変わろう)
___過去の自分との、正真正銘の決別を。
そんな覚悟のもと、私は静かに目を閉じた。