溺れるほどの愛は深くて重く、そして甘い
「な、なに、」
「…いや、何もない」
「え、その反応で!?」
驚いていると、気まずそうな反応をされる。何事かと思っていると、もう一度息を吐いた彼はおずおずと口を開いた。
「………良くない話だと思った」
小さな声に、間の抜けた声を漏らしてしまった。拗ねたような表情の彼は、チラリと私を見る。
「やり直すやり直さない以前に、『別れよう』と言ったのも俺のことを考えてくれた結果なんだろう」
「うん…」
「じゃあいい。そもそも、どんな手を使っても逃がす気なんてなかったからな」
その言葉が、何だか不穏に聞こえた。
無言でじっと見つめると、ん?と少年のような笑顔を向けられてしまう。なかったことにしようとしても、無理だからね??
「その件についてはやり直すどころか、俺としてはもう気にしていなかった。そもそも、別れることを了承していなかったしな」
「そ、そうだけど…」
あまりにもあっさりと許されてしまい、なんだか拍子抜けしてしまう。「別れよう」と伝えた時の智弘の取り乱しようは凄かったから、もっと大ごとだと思っていたのだけれど……
いや、きっと私のことを考えて、あえて気にしていないように振る舞ってくれているに違いない。智弘はそういう人だ。
「他に言いたいことは?」
「ない…です」
「よし。じゃあ、そろそろ上がろうか。随分と長風呂をしたし、のぼせたら困るだろう」
腕を解くと、そのまま智弘は立ち上がった。
ずっと後ろから抱き締められていたから気づかなかったが、まさに水も滴るいい男。もう何度も見ているはずなのに、まだこんな生娘のようなことを思ってしまう自分がいたことに内心驚いた。
「立てるか?」
「うん」
手を貸してもらいながら浴槽を出た。
「…いや、何もない」
「え、その反応で!?」
驚いていると、気まずそうな反応をされる。何事かと思っていると、もう一度息を吐いた彼はおずおずと口を開いた。
「………良くない話だと思った」
小さな声に、間の抜けた声を漏らしてしまった。拗ねたような表情の彼は、チラリと私を見る。
「やり直すやり直さない以前に、『別れよう』と言ったのも俺のことを考えてくれた結果なんだろう」
「うん…」
「じゃあいい。そもそも、どんな手を使っても逃がす気なんてなかったからな」
その言葉が、何だか不穏に聞こえた。
無言でじっと見つめると、ん?と少年のような笑顔を向けられてしまう。なかったことにしようとしても、無理だからね??
「その件についてはやり直すどころか、俺としてはもう気にしていなかった。そもそも、別れることを了承していなかったしな」
「そ、そうだけど…」
あまりにもあっさりと許されてしまい、なんだか拍子抜けしてしまう。「別れよう」と伝えた時の智弘の取り乱しようは凄かったから、もっと大ごとだと思っていたのだけれど……
いや、きっと私のことを考えて、あえて気にしていないように振る舞ってくれているに違いない。智弘はそういう人だ。
「他に言いたいことは?」
「ない…です」
「よし。じゃあ、そろそろ上がろうか。随分と長風呂をしたし、のぼせたら困るだろう」
腕を解くと、そのまま智弘は立ち上がった。
ずっと後ろから抱き締められていたから気づかなかったが、まさに水も滴るいい男。もう何度も見ているはずなのに、まだこんな生娘のようなことを思ってしまう自分がいたことに内心驚いた。
「立てるか?」
「うん」
手を貸してもらいながら浴槽を出た。