溺れるほどの愛は深くて重く、そして甘い
 身体の倦怠感と共に目を覚ます。
 天井を見上げて瞬きを数回。朧気だった思考は、段々と鮮明になっていく。

(昨日は、)

 ああ、何か色々恥ずかしい言動した気がする。っていうか、1日の出来事にしては色が濃すぎた日だった。
 
「…なんか、まだぞわぞわする」
 
 心なしか、いつも以上に倦怠感を感じる。それに加えて、喉も若干痛い。羽目を外した自覚はあるが、それにしたって智弘も容赦がなかった。

 そんなことを思い出しながら自分の身体を見るも、気持ち悪い感覚も無ければ服まで着せてくれている。どうやら後片付けはしてくれたらしい。そのことに感謝しながら身体を起こそうとして、全身に駆ける痛みに襲われてしまった。

「っ、〜〜〜!!」

 あっという間にシーツの海に逆戻り。1人で何が起こったのか分からずにいると、寝室の扉が静かに開いた。涙目でそちらを見ると、驚いた表情の智弘と目が合う。

「起きていたのか」
「ぉはよぉ」

 ガラガラな声で挨拶をする。どうやら喉への被害は甚大なようで、咳払いをしたところで治る気配はない。

「ああ、おはよう。声が出ていないな…水飲むか?それか、ホットレモンもあるぞ」
「れもん」
「分かった。ちょっと待ってろ」

 そう言うと、すぐに部屋を出ていってしまった。
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