キミを好きになるまで、あと10秒
彼の手がすっと差し伸べられ、ひよりの手と一瞬触れ合う。ひよりの心臓が高鳴るのを感じた。


「ありがとう……」ひよりは照れくさそうに言った。


成瀬は微笑んだ。その微笑みは優しくて、どこか秘密めいていた。


それはほんの小さな出来事だったけれど、二人の心に新しい何かが生まれる瞬間だった。
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