キミの隣は俺の場所
 
 「ここ、屋上行けるんだ……!」



 校舎の一番上。金属の扉を押し開けると、秋の空が広がっていた。


 風が、制服のスカートを揺らす。


 遠くでカラスが鳴いてる。グラウンドで体育の授業をしている声が、かすかに聞こえる。


 「……たまに来る」


 「え?」



 ぽつりと、彼が言った。
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