キミの隣は俺の場所
 「誰もいないとき、昼とか。静かだから」



 (……初めて、ちゃんとした言葉が返ってきた)



 私は思わず彼の方を見る。


 けど、楓は空の方を見ていて、私と目を合わせようとしなかった。


 

 「……ほんとに、覚えてないの?」


 気づいたら、言葉がこぼれていた。



 彼の視線が、ぴたりと止まる。
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