キミの隣は俺の場所
あれから、少し時間が経った。

 倉庫の中は、和やかな空気に包まれていた。
 
 藤咲くんは陽気にジュースを配り、朝倉先輩は私に椅子をすすめてくれて、橘くんは相変わらず軽口を叩いて場を和ませていた。
 
 黒崎くんと三好くんはあまり喋らないけど、どこか否定するような目はしていなかった。
 
 ――でも。
 どこか、“様子を見られてる”ような気がしていた。
 
 「でさ〜、楓。マジでどこまで話していいの?」
 
 藤咲くんが、笑ってるけどどこか真剣な目で楓を見た。
 
 楓は壁にもたれかかりながら、ポケットに手を突っ込んだまま答える。
 
 「全部話す必要はねぇ。ただ……黙ってても無理だろ、こいつには」
 
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