キミの隣は俺の場所
そう自分に言い聞かせながら、楓は人を信じることをやめた。

 特に、女の人は――傷つけられるだけだと思い込んだ。

 それ以来、誰にも心を開かず、冷たく強く振る舞い続けた。

 だけど、転校生の陽菜だけは違った。

 彼女は、壊れかけた楓の心を少しずつ、そっと溶かしていった。

 「お前は…お前だけは、信じたい」

 楓のその呟きは、過去の闇に差し込む一筋の光だった。
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