キミの隣は俺の場所
 「え、ここが……私の新しい学校……?」


 校門の前で立ち尽くしながら、私は心の中で何度も深呼吸をしていた。


 新しい制服、新しい通学路、そして知らないクラスメイトたち。


 緊張でお腹が痛い。


 前日にあんなことがあったせいで、寝不足。


 でも、不思議と“あの人”の顔だけは、ずっと頭に残っていた。


 怖いのに、助けてくれた。


 冷たいのに、どこか優しかった。


 ……もう、会うこともないんだろうな。
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