キミの隣は俺の場所
黒い髪。無表情。制服の上に黒のパーカー。


 鋭い目をした、昨日の“あの人”が、そこに座っていた。


 「………………え」


 思わず声が漏れる。


 彼も、こちらをちらりと見た。


 でも、まるで知らない人を見るみたいに、何も言わなかった。


 (……うそ、でしょ)


 こんな偶然――あるの?


 助けてくれた人が、まさか同じ学校、同じクラス、しかも隣の席って。
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