推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜

八月の十五夜

■八月の十五夜


ピンポーン。
家のインターホンが鳴る。


モニターを確認して急いでドアに向かう。ドアを開けるとそこには佑月くんがいた。


「よぉ」佑月くんが軽く笑う。
「よぉ」私が言うと、佑月くんがニカって笑った。


「凛ちゃん、ドライブ好き?」
「はい」
「土曜日、ドライブ行かない?」佑月くんがさらっと言う。
「え!?」
「ドライブ。デートしようよ」
「デート…!?」

なぜ?私と?


「行きたい!」
「よかった〜。じゃあ土曜日夕方5時にまたピンポンするね」
「はい!」
「ん、じゃあね」
佑月くんが手をひらってさせて、自分の部屋に戻っていく。

パタン……。ドアを閉める。

佑月くんと……デート……。

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