推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜


「アイドルになりたくて、東京来たんすよ。」
佑月くんがリモコンでピ。ってテレビのチャンネルを変える。

「それで、この事務所に入って、研修生やってました。」
研修生……眞鍋……。

そうだ、私、この人のこと見たことがある。昔のドキュメンタリーに映っていて、それで見た。

でもなんで今、マネージャーに?

「僕、デビューする直前に怪我しちゃって。もうダンスを仕事にすることはできないって言われたとき、もうめちゃくちゃ泣きましたね。」

真鍋さんが、お椀をフーフーってして、メガネが曇る。


「本当は……。」眞鍋さんが言いかけて辞める。
「最初は、ウィズは6人だったんだよ。」言ったのは佑月くんだった。
「えっ。」

知らなかった。
「表で言ったことはないですが、まぁそういうことです……。」
眞鍋さんが眼鏡を掛け直す。

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