推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
「あ。あった。」
バックを漁ると家の鍵が出て来た。
あ、そういえば、ポーチをバックから出した後、いつもと違うポケットにしまったんだった。
「すみません、お騒がせしました。」
立って、ぺこりとお辞儀する。
「あら。帰るの?」佑月くんが私を見上げる。
玄関の方に向かってから引き返す。「あ、そうだ、今日の鍋代…。」
「いい、いい。ほとんど、俺と真鍋で食べたし。
眞鍋〜凛ちゃん帰るってよ〜!」
佑月くんが眞鍋さんの肩を揺さぶって起こす。
眞鍋さんが玄関に来る。リビングのドアに寄りかかって、メガネの位置を直す。
「楽しかったよ、また来いよ〜」
「うん。」
「じゃあな〜宮部」真鍋さんが、手をひらひらする。「気をつけて帰れよ〜」
「うん、まあ、隣だけどね!」
「あ。そうだった。」
ドアを開けて廊下に出る。
自分の家の鍵を開ける。この間10秒。
「じゃあね〜!」眞鍋さんがまだ手を振っている。
「じゃあね〜〜!」手を振り返して家に入る。
あー楽しかった。
なんか久しぶりに大学生の時みたいな飲み会した。
「酔った酔った。」鍵を、玄関のキートレイにカチャリ、と置いて靴を脱ぐ。