推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
凛side
その男が、私の腕を掴む。
ヒィィィ!!!
叫びたいのに、恐怖のあまり、声が出ない。
どうしよう、どうしよう、パニックになって、足の力が抜けて、その場にしゃがみこむ。
「凛ちゃん、」
声がして、その男の手が払いのけられるのと、誰かに抱きしめられるのはほぼ同時だった。


佑月くん……。
佑月くんに、座った格好のまま、抱きしめられる。
「大丈夫?」
顔を覗き込まれて、ぶわ…って涙が出てくる。

「こ、怖かった……。」

道の上に転がったスマホは発信音を鳴らし続けていて眞鍋の電話番号が表示されていた。

眞鍋が走ってくる。「だ、大丈夫ですか?」

「お前電話出ろよ!」

「だってこんなことで電話かかってくると思わないじゃないですか!俺の電話110番じゃないんすよ!」

「110番?」

佑月くんが眞鍋を見る。


眞鍋が、あ。って顔をする。「警察!警察呼びましょう!」




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