推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜




同期と私の家の最寄り駅で飲んで、店の前で解散する。

家の方向に向かって歩く。飲み屋の通りを仕方なく通る。

スッ、と居酒屋のチャラそうなお兄さんが横に来て声をかけられる。

「お姉さん、二軒目どうですか?」
ひとりで二軒目行かないし。
「俺、奢りますよ」
あ、これキャッチじゃなくてナンパだわ。


「あ、すみません、」
間に、背の高い男の人が割って立つ。タバコの匂いと、香水の匂いがした。
「待ち合わせしてるんです。」
見ると、佑月くんだった。

佑月くんがナンパ男を追い払い、
私に「お姉さん、二軒目、俺らとどうすか」って言う。

「うわ、これやってることさっきのやつと変わんねえじゃん。笑」

変わんなくないです。だって佑月くんだもん。
佑月くんの横顔を下から見上げる。

なんて整っているお顔なんだろう……。


佑月くんが私を横目で見る。
「なに?」ってクスッと笑う。
「いえ……。」




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