推しが隣に引っ越してきまして 〜月の裏がわ〜
奥の個室に通されると、そこには亮ちゃんもいた。
「ん。おかえり。あれ〜凛ちゃん?」なんでおるの?って亮ちゃんが私を見てキョトンとする。
「佑月タバコ吸いに行ったんじゃないの?」
「タバコ吸ってたら、目の前で凛ちゃんナンパされてたから、その男追い払って俺がナンパした」
「なんやそれ」
「ひさしぶりだねぇ」亮ちゃんの目が酔っ払いの目をしている。
「めっちゃ飲んでます?」
「え〜?そんな飲んでないで」
「目がとろんとろんです」
「嘘ぉ?」
注文の伝票を見る。ハイボール10杯。
2時間で?この人ヤバ。
「凜ちゃんは、佑月のどんなところが好きなの~?」
「どっ……。」
「えっと…、最年長で面倒見がいいところとか、おしゃべりなところとか。なんかあったら助けてくれる……佑月くんは、私のヒーローなんです。」
「ヒーローなんです、やって、可愛い♪」
亮ちゃんが、にこって笑う。
「で?」亮ちゃんが私に聞く。
「で?とは」
「今のは、アイドルとしての佑月でしょ?そうじゃなくて、実際の佑月のどんなところが好き?」
私は、お通しの梅きゅうりを箸からボトっと落とす。——実際の、佑月くんの好きなところ………?
「亮。」
佑月くんがたしなめるように言う。「飲み過ぎ」
亮ちゃんが口を尖らす。「はぁーい」