17年後、七夕で。
「おい合戸」
「あ、はい」
授業後。俺は先生に呼びだされた。さっき説教は終わったはずだけど……。
「澤田と何してたんだ?さっき。高橋が心配してたぞ」
「え?なんで高橋が?」
特に関係ないはずだが……。
「委員長として心配しているんじゃないか?」
「え、委員長?」
そういや高橋は学級委員長だったっけ?それでもそんな心配することか?
「本当にただ話していただけです。昔会ったことがあって、それで」
「そうか、だが授業をサボるのは駄目だぞ」
「はい、すみません」
心のこもっていない謝罪を口にする。頭の中では全く違うことを考えていた。
高橋にちゃんと説明しなきゃな。誤解生まれても困る。
「あ、高橋……」
「澤田さん、さっき合戸くんと何してたの?」
高橋に声をかけようとしたら、高橋は花澄と話していた。高橋はどこか怒っているような気もするが、花澄は淡々と言う。
「私、まだあなたの名前も知らないんだけどなぁ」
花澄の様子に、高橋はイラついたようだった。
「高橋柚よ。果物の柚って書くわ」
「そっか。よろしくね柚ちゃん」
「馴れ馴れしく下の名前で呼ばないで」
高橋がぴしゃりと言う。へぇ、柚っていうんだ、初めて知ったわ。
「で、何してたの?」
「ふーん……」
花澄はどこか不敵に笑って、言った。
「別にあなたには関係ないでしょ。邪魔しないでもらえるかなぁ」
「なっ……」
花澄の挑戦的な笑みを見て高橋は絶句する。やばい、会話の内容が分からない……。
「何?柚ちゃんってそういうことなの?」
そういうこと?どういうこと⁉
「黙れ」
また高橋がぴしゃりと言う。だ、黙れって……。高橋って穏やかで大人しいイメージあったんだけど……一瞬でイメージ崩されたわ。
「ま、いいけど。じゃね」
「ちょっと、まだ最初の質問に答えてないじゃない」
「答える気失せた」
花澄も素っ気なく言う。おぉ……なんか修羅場っぽいとこ目撃しちゃった感じか……?何の修羅場かはわからないけど。
「あれ、ハルくん」
逃げようと思ったら、花澄に見つかってしまった。
「あ、あぁ、花澄……」
のぞき見してたのバレたら怒られるんじゃ……。
「ね、ハルくん。今日一緒に帰らない?」
「へ、……いいけど」
「やった!青春だぁ!」
こんな些細なことで青春なのか……?
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