17年後、七夕で。
「何これ~タピオカうまっ!」
「……うん」
放課後。俺と花澄はなぜかタピオカを飲んでいた。花澄いわく、「放課後友達とタピオカを飲む」が青春らしい。意味わからん。
「やばい!今まで生きてきた中で一番美味しい」
「そらよかったね。でもタピオカ以外にも美味しいものたくさんあるよ」
「え、ほんと⁉この伝説のタピオカを超えるものがあるの?」
「伝説って……」
どんだけタピオカ気に入ったんだ。
「あっ、ハルくん!あそこのドーナツも食べよ」
「まだ食べるの?」
「うん!だって今まで病院食しか食べたことなかったからね。こういうの嬉しいの」
「そっか」
忘れがちだけど、彼女は本当に最近まで入院していたのだ。体調には気を使わねば。
「……ん?高橋?」
花澄がイチゴドーナツを買っている間、ずっと視線を感じていた。視線のさきには、見覚えのある黒髪ツインテール。そして馴染みのないマスクにサングラス、黒ジャージ。……なんだあれ、怪しすぎだろ。不審者のお手本みたいな恰好してやがる。
「おい高橋?」
思わず声をかけると、高橋はびくっと肩を揺らす。
「わ、わたしは高橋じゃない。高田です」
「じゃあ尚更怪しいわ。何俺らのこと監視してんの?」
「監視なんてしてません。わたしはただドーナツ屋を見てただけ」
「もう一度聞くけど、名前は?」
「たかは……あ、いえ、高田です」
高橋柚で確定だわ。うん、間違いない。こいつはクラスメイトの高橋。
「クラスメイトの高橋柚だよな?嘘つくなよ。なんで監視してたんだ?」
「え、合戸くん、わたしの下の名前……」
そこまで言ってはっとする。
「だ、だから、わたしは高田だって!」
「じゃあ下の名前は?」
こいつ、こんな状態で誤魔化しがきくとまだ思ってるのか……?
「高田……水穂!そう、高田水穂です」
誤魔化すために創作の人物まで作り上げた……。なんなんだこいつ。目的は一体?
「ちょっとハルくん。いきなりいなくならないで。……って、この女の子誰?」
「あぁ、たかは――」
「初めまして高田水穂です!」
こいつ……。
いくらマスクとサングラスしてるからって、背丈とか声でバレるだろ……。あと高橋は髪が特徴的で、つやがあって綺麗だからな。いつものツインテールはそのままだし、気づくだろ。
「えっ、え~!私は澤田花澄です。よろしくね、水穂ちゃん!」
高橋は目をぱちぱちさせていた。きっと驚いたのだろう。そりゃそうだよな。なんで気づかないなんてことがあんの。
……あ、そっか。花澄は高橋と会って一日だもんな。俺と違って高橋と長い付き合いってわけでもないのか。
「……合戸くん、どうしよ……」
高橋が小声で俺に言う。さすがに罪悪感が出てきたのだろう。だからといってここで真実を言えば、花澄は確実に怒る。
「自業自得だろ」
「だとしても……」
サングラス越しでも、目が助けてと訴えている。……はぁ、仕方ねぇな。嘘とか嫌なんだけど。
「どこかで打ち明けろよ。ちゃんと、自分でな」
「わ、わかったから、今をなんとかして」
「……はぁ」
俺はため息をついて、花澄に向きなおる。
「こいつ、俺の小学校時代の友達」
「へ、そうなの?」
花澄はぽかんとする。……この調子なら、バレることはなさそうだ。花澄ってもしかして鈍感……?
「ふぅん。何年生の時?水穂ちゃん」
「へっ」
なんで、俺じゃなく何これ~タピオカうまっ!」
「……うん」
放課後。俺と花澄はなぜかタピオカを飲んでいた。花澄いわく、「放課後友達とタピオカを飲む」が青春らしい。意味わからん。
「やばい!今まで生きてきた中で一番美味しい」
「そらよかったね。でもタピオカ以外にも美味しいものたくさんあるよ」
「え、ほんと⁉この伝説のタピオカを超えるものがあるの?」
「伝説って……」
どんだけタピオカ気に入ったんだ。
「あっ、ハルくん!あそこのドーナツも食べよ」
「まだ食べるの?」
「うん!だって今まで病院食しか食べたことなかったからね。こういうの嬉しいの」
「そっか」
忘れがちだけど、彼女は本当に最近まで入院していたのだ。体調には気を使わねば。
「……ん?高橋?」
花澄がイチゴドーナツを買っている間、ずっと視線を感じていた。視線のさきには、見覚えのある黒髪ツインテール。そして馴染みのないマスクにサングラス、黒ジャージ。……なんだあれ、怪しすぎだろ。不審者のお手本みたいな恰好してやがる。
「おい高橋?」
思わず声をかけると、高橋はびくっと肩を揺らす。
「わ、わたしは高橋じゃない。高田です」
「じゃあ尚更怪しいわ。何俺らのこと監視してんの?」
「監視なんてしてません。わたしはただドーナツ屋を見てただけ」
「もう一度聞くけど、名前は?」
「たかは……あ、いえ、高田です」
高橋柚で確定だわ。うん、間違いない。こいつはクラスメイトの高橋。
「クラスメイトの高橋柚だよな?嘘つくなよ。なんで監視してたんだ?」
「え、合戸くん、わたしの下の名前……」
そこまで言ってはっとする。
「だ、だから、わたしは高田だって!」
「じゃあ下の名前は?」
こいつ、こんな状態で誤魔化しがきくとまだ思ってるのか……?
「高田……水穂!そう、高田水穂です」
誤魔化すために創作の人物まで作り上げた……。なんなんだこいつ。目的は一体?
「ちょっとハルくん。いきなりいなくならないで。……って、この女の子誰?」
「あぁ、たかは――」
「初めまして高田水穂です!」
こいつ……。
いくらマスクとサングラスしてるからって、背丈とか声でバレるだろ……。あと高橋は髪が特徴的で、つやがあって綺麗だからな。いつものツインテールはそのままだし、気づくだろ。
「えっ、え~!私は澤田花澄です。よろしくね、水穂ちゃん!」
高橋は目をぱちぱちさせていた。きっと驚いたのだろう。そりゃそうだよな。なんで気づかないなんてことがあんの。
……あ、そっか。花澄は高橋と会って一日だもんな。俺と違って高橋と長い付き合いってわけでもないのか。
「……合戸くん、どうしよ……」
高橋が小声で俺に言う。さすがに罪悪感が出てきたのだろう。だからといってここで真実を言えば、花澄は確実に怒る。
「自業自得だろ」
「だとしても……」
サングラス越しでも、目が助けてと訴えている。……はぁ、仕方ねぇな。嘘とか嫌なんだけど。
「どこかで打ち明けろよ。ちゃんと、自分でな」
「わ、わかったから、今をなんとかして」
「……はぁ」
俺はため息をついて、花澄に向きなおる。
「こいつ、俺の小学校時代の友達」
「へ、そうなの?」
花澄はぽかんとする。……この調子なら、バレることはなさそうだ。花澄ってもしかして鈍感……?
「ふぅん。何年生の時?水穂ちゃん」
「へっ」
なんで、俺じゃなくて高橋に聞いたんだ?も、もしかして怪しんでる?
「い、一年生のころから。一年のときからずっと同じクラス」
おーい‼高橋‼
い、一年生は駄目だ!一年生のころ俺は入院していてほとんど学校に行ってないんだぞ!そのことを花澄は知っている。やばい、バレるバレる…………‼
「へーそうなんだ。でもごめんね水穂ちゃん。せっかくの再会だけど、今私とハルくんはデート中なの」
「えっ」
「は⁉」
高橋と俺の声が被る。
「ほら行くよハルくん」
「ちょお⁉」
花澄は俺の腕を引っ張って連れて行く。ちらっと高橋のほうを振り返ってみたが、そこにもう姿はなかった。
「……うん」
放課後。俺と花澄はなぜかタピオカを飲んでいた。花澄いわく、「放課後友達とタピオカを飲む」が青春らしい。意味わからん。
「やばい!今まで生きてきた中で一番美味しい」
「そらよかったね。でもタピオカ以外にも美味しいものたくさんあるよ」
「え、ほんと⁉この伝説のタピオカを超えるものがあるの?」
「伝説って……」
どんだけタピオカ気に入ったんだ。
「あっ、ハルくん!あそこのドーナツも食べよ」
「まだ食べるの?」
「うん!だって今まで病院食しか食べたことなかったからね。こういうの嬉しいの」
「そっか」
忘れがちだけど、彼女は本当に最近まで入院していたのだ。体調には気を使わねば。
「……ん?高橋?」
花澄がイチゴドーナツを買っている間、ずっと視線を感じていた。視線のさきには、見覚えのある黒髪ツインテール。そして馴染みのないマスクにサングラス、黒ジャージ。……なんだあれ、怪しすぎだろ。不審者のお手本みたいな恰好してやがる。
「おい高橋?」
思わず声をかけると、高橋はびくっと肩を揺らす。
「わ、わたしは高橋じゃない。高田です」
「じゃあ尚更怪しいわ。何俺らのこと監視してんの?」
「監視なんてしてません。わたしはただドーナツ屋を見てただけ」
「もう一度聞くけど、名前は?」
「たかは……あ、いえ、高田です」
高橋柚で確定だわ。うん、間違いない。こいつはクラスメイトの高橋。
「クラスメイトの高橋柚だよな?嘘つくなよ。なんで監視してたんだ?」
「え、合戸くん、わたしの下の名前……」
そこまで言ってはっとする。
「だ、だから、わたしは高田だって!」
「じゃあ下の名前は?」
こいつ、こんな状態で誤魔化しがきくとまだ思ってるのか……?
「高田……水穂!そう、高田水穂です」
誤魔化すために創作の人物まで作り上げた……。なんなんだこいつ。目的は一体?
「ちょっとハルくん。いきなりいなくならないで。……って、この女の子誰?」
「あぁ、たかは――」
「初めまして高田水穂です!」
こいつ……。
いくらマスクとサングラスしてるからって、背丈とか声でバレるだろ……。あと高橋は髪が特徴的で、つやがあって綺麗だからな。いつものツインテールはそのままだし、気づくだろ。
「えっ、え~!私は澤田花澄です。よろしくね、水穂ちゃん!」
高橋は目をぱちぱちさせていた。きっと驚いたのだろう。そりゃそうだよな。なんで気づかないなんてことがあんの。
……あ、そっか。花澄は高橋と会って一日だもんな。俺と違って高橋と長い付き合いってわけでもないのか。
「……合戸くん、どうしよ……」
高橋が小声で俺に言う。さすがに罪悪感が出てきたのだろう。だからといってここで真実を言えば、花澄は確実に怒る。
「自業自得だろ」
「だとしても……」
サングラス越しでも、目が助けてと訴えている。……はぁ、仕方ねぇな。嘘とか嫌なんだけど。
「どこかで打ち明けろよ。ちゃんと、自分でな」
「わ、わかったから、今をなんとかして」
「……はぁ」
俺はため息をついて、花澄に向きなおる。
「こいつ、俺の小学校時代の友達」
「へ、そうなの?」
花澄はぽかんとする。……この調子なら、バレることはなさそうだ。花澄ってもしかして鈍感……?
「ふぅん。何年生の時?水穂ちゃん」
「へっ」
なんで、俺じゃなく何これ~タピオカうまっ!」
「……うん」
放課後。俺と花澄はなぜかタピオカを飲んでいた。花澄いわく、「放課後友達とタピオカを飲む」が青春らしい。意味わからん。
「やばい!今まで生きてきた中で一番美味しい」
「そらよかったね。でもタピオカ以外にも美味しいものたくさんあるよ」
「え、ほんと⁉この伝説のタピオカを超えるものがあるの?」
「伝説って……」
どんだけタピオカ気に入ったんだ。
「あっ、ハルくん!あそこのドーナツも食べよ」
「まだ食べるの?」
「うん!だって今まで病院食しか食べたことなかったからね。こういうの嬉しいの」
「そっか」
忘れがちだけど、彼女は本当に最近まで入院していたのだ。体調には気を使わねば。
「……ん?高橋?」
花澄がイチゴドーナツを買っている間、ずっと視線を感じていた。視線のさきには、見覚えのある黒髪ツインテール。そして馴染みのないマスクにサングラス、黒ジャージ。……なんだあれ、怪しすぎだろ。不審者のお手本みたいな恰好してやがる。
「おい高橋?」
思わず声をかけると、高橋はびくっと肩を揺らす。
「わ、わたしは高橋じゃない。高田です」
「じゃあ尚更怪しいわ。何俺らのこと監視してんの?」
「監視なんてしてません。わたしはただドーナツ屋を見てただけ」
「もう一度聞くけど、名前は?」
「たかは……あ、いえ、高田です」
高橋柚で確定だわ。うん、間違いない。こいつはクラスメイトの高橋。
「クラスメイトの高橋柚だよな?嘘つくなよ。なんで監視してたんだ?」
「え、合戸くん、わたしの下の名前……」
そこまで言ってはっとする。
「だ、だから、わたしは高田だって!」
「じゃあ下の名前は?」
こいつ、こんな状態で誤魔化しがきくとまだ思ってるのか……?
「高田……水穂!そう、高田水穂です」
誤魔化すために創作の人物まで作り上げた……。なんなんだこいつ。目的は一体?
「ちょっとハルくん。いきなりいなくならないで。……って、この女の子誰?」
「あぁ、たかは――」
「初めまして高田水穂です!」
こいつ……。
いくらマスクとサングラスしてるからって、背丈とか声でバレるだろ……。あと高橋は髪が特徴的で、つやがあって綺麗だからな。いつものツインテールはそのままだし、気づくだろ。
「えっ、え~!私は澤田花澄です。よろしくね、水穂ちゃん!」
高橋は目をぱちぱちさせていた。きっと驚いたのだろう。そりゃそうだよな。なんで気づかないなんてことがあんの。
……あ、そっか。花澄は高橋と会って一日だもんな。俺と違って高橋と長い付き合いってわけでもないのか。
「……合戸くん、どうしよ……」
高橋が小声で俺に言う。さすがに罪悪感が出てきたのだろう。だからといってここで真実を言えば、花澄は確実に怒る。
「自業自得だろ」
「だとしても……」
サングラス越しでも、目が助けてと訴えている。……はぁ、仕方ねぇな。嘘とか嫌なんだけど。
「どこかで打ち明けろよ。ちゃんと、自分でな」
「わ、わかったから、今をなんとかして」
「……はぁ」
俺はため息をついて、花澄に向きなおる。
「こいつ、俺の小学校時代の友達」
「へ、そうなの?」
花澄はぽかんとする。……この調子なら、バレることはなさそうだ。花澄ってもしかして鈍感……?
「ふぅん。何年生の時?水穂ちゃん」
「へっ」
なんで、俺じゃなくて高橋に聞いたんだ?も、もしかして怪しんでる?
「い、一年生のころから。一年のときからずっと同じクラス」
おーい‼高橋‼
い、一年生は駄目だ!一年生のころ俺は入院していてほとんど学校に行ってないんだぞ!そのことを花澄は知っている。やばい、バレるバレる…………‼
「へーそうなんだ。でもごめんね水穂ちゃん。せっかくの再会だけど、今私とハルくんはデート中なの」
「えっ」
「は⁉」
高橋と俺の声が被る。
「ほら行くよハルくん」
「ちょお⁉」
花澄は俺の腕を引っ張って連れて行く。ちらっと高橋のほうを振り返ってみたが、そこにもう姿はなかった。