17年後、七夕で。
「ハルくん。浮気しないでくれる?」
花澄が連れて行ったのは、ちょっとお高めのカフェだった。そこでタピオカ黒糖ミルクティーとスフレパンケーキを頼んで、俺に怒り気味で言ってきた。にしてもよく食べるな。さっきタピオカとドーナツ食べたばっかりだっていうのに。
確かに、浮気は良くないよな。――って‼
「さっきもデートだとかなんとか、たかは……あ、いや高田に言ってたけど、彼氏じゃないからな⁉浮気も何もないだろ」
「ん-、じゃあこれから彼氏になって」
「……は?」
あまりにもあっさり言ったから、一瞬何を言っているのかわからなかった。
「カレカノなんて、まさに青春の基本じゃん。だから彼氏になって」
「いや……さすがに、それは……」
そもそも俺はまだ……。
「まだ、夕莉さんのことが好き?忘れられない?」
「あぁ。だから、お前に頼んで死ぬ過去を変えてまでしようとしてるんだ」
俺は迷いなく言う。
「あーそっかぁ。こうして私の青春に付き合ってくれてるのも、本当は夕莉さんのためだもんねぇ」
「うるっさいな」
なんなんだ花澄は。本当の目的を忘れかけてるんじゃないか?
「ねぇハルくん。また、水穂ちゃんに会える?」
「え?」
まさか、花澄は高橋の正体に気づいて――⁉
「水穂ちゃんとなら友達になれそうって思ったの!」
「は、はぁ」
前向きなこと。でも正体は高橋だぞ。
「まぁ、会えるんじゃね?」
「ほんと!」
あまり無責任なことは言いたくないが、バレると厄介だ。今はこう言っておこう。
「よーし!明日は友達作り、頑張ろっと!」
「今日はできなかったのか?」
聞いた後に、すぐに後悔した。めっちゃデリケートな問題に踏み込んでしまった、と。
「んー、友達の作り方分からないんだよね。病院でも仲良くなれたのハルくんだけだったし」
そもそも病院に同年代の子がまったくいなかったからわからない、とのこと。
「俺も言うて、ちゃんとした友達は唱太だけだな」
「ほー、へー。可哀そー」
「うるさい」
花澄はクスクスと笑う。からかいやがって。
「あ、そうだハルくん。聞きたいことがあるんだけど」
「なんだよ」
「高橋さんのことなんだけど」
喉から何かがぐっとせりあがってくる感じがあった。ちょうどその時、店員が料理を運んできた。
花澄はタピオカ黒糖ミルクティーとスフレパンケーキに夢中になっている。俺もとりあえず頼んだミルク入りコーヒーに口をつける。
「で、高橋さんのことなんだけどさ」
「あぁ、うん。なんだ?」
「彼女って彼氏とかいる?」
「は?」
聞きたいことってそれかよ。そんなん知るか。俺は夕莉が死んでから一切と言っていいほど女子と話していないんだぞ。
「そんなん知らねぇよ」
「ふーん、そっか。じゃあ高橋さんは、ハルくんのこと好きなのかな」
「はぁ⁉」
客の視線が俺に集まる。










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