イケメン社長からの溺愛が止まらない
「こんなとこで何してんだ?」
そんなことを考えていた私は、近づいてくる人影に全く気付かなかった。
頭上から聞こえてきた低い声にハッとして顔をあげると、視界に入ったのは端正な顔立ちの男の人だった。
その人は自分のさしていた傘を私の方に傾けてくれる。
「ちょっと、悠斗!いきなりどこいく……っ!?」
どういう反応をしたらいいのか考えていると、遠くの方から女の人が走ってきた。
そして私のことを視界に捉えると、驚いたように目を見開いて立ち止まった。
……綺麗な女の人……。
「碧!タオルあるだけ持ってきて!」
私が全く違うことを思っていると、女の人が今度は違う人の名前を呼んだ。
その声に後ろから来ていた男の人が、来た道を戻っていくのが見えた。
一瞬しか見えなかったけど、あの人も整った顔立ちをしているのだけは分かった。
パサッと肩に何かをかけられた感覚がして、目線を下に向けると、最初に声をかけてきた男の人が自分の着ていたジャケットを私の肩にかけていた。
かがんでいる男の人との距離が思っていたよりも近くて、心臓の音が早くなるのを感じた。