イケメン社長からの溺愛が止まらない
一口で感じた優しい味。
誰かの手で作られたものを食べたのは、いつぶりだろう?
ここ数年は、自分の作ったご飯でも、継母と妹が残した余りものがほとんどだった。
こんなに優しい味を感じたのは……お母さんの手料理以来だ……。
泣きそうになるのをグッと堪えて、私は黙々とお粥を食べた。
その姿を、依月さんは優しい表情で見ていた……。
お椀一杯分のお粥を食べ終えたのと同時に、ガチャというドアが開く音が聞こえた。
「ふふ、まだ仕事中のはずなのに……」
依月さんが静かに呟いて、肩を震わせて笑っている。
その言葉と笑いの意味が全く分かっていない私は、首を小さく横に傾げた。
……この家の主が帰ってきたんだろうか……?
それとも、依月さんの友だちとか……?
そんなことを考えていると、足音が近づいてきて、リビングのドアが開いた。
反射的に顔を向けると、そこに立っていたのはスーツ姿の男の人だった……。