イケメン社長からの溺愛が止まらない
「!?……あ、あの……っ。か、神楽さん……?」
驚きながらも問いかけるけど、返事は返って来ない。
その代わり、私のことを抱きしめる力が強くなった……。
その腕が震えている気がして、何故か胸が締め付けられた。
……さっきの依月さんの時もそうだった……。
名前と職業しか知らないのに……。
いや、神楽さんに至っては名前しか知らないのに……。
どうしてそんな人たちの言動に、こんなに心が動かされるのか……。
強く抱きしめられた影響で、神楽さんのスーツが濡れているのに気付いた。
……もしかして、私を助けるために海に入ったんだろうか?
海水を飲み込んだせいで、乱れていた息がだんだんと落ち着ていくる。
それと同時に、神楽さんの鼓動が聞こえてくる。
その音は早い気がするけど、どこか安心できる……。
そう言えば、最初に出会った時も、神楽さんの腕の中は安心できた。
水に濡れて冷たいはずなのに……。
温かいその腕の中で、安心しきった私を目をつぶった……。