イケメン社長からの溺愛が止まらない
「極度の栄養失調と疲労とストレス。免疫も下がってるから、もしかしたら数日は熱が引かない可能性もあるかもだけど、それ以外は異常なし。点滴が終わったら帰ってもいいけど、どうする?」
治療を終えた莉子ちゃんは、個室に運ばれて、私たちはお父さんから説明を受けていた。
『どうする?』とお父さんが視線を向けたのは、莉子ちゃんのベッドの脇に座り、手を握りしめている悠斗。
「連れて帰ります」
「そうか。点滴はあげるから依月帰ったらやってあげて。それから、何かあったらすぐに病院に来ること」
「うん、分かった。ありがとう、お父さん」
緊張で張り詰めていた病室の中が、一気に安堵の色に変わる。
「それで、その子は……一体誰なんだい?」
「名前は如月莉子ちゃん。高校2年生。それ以外は私たちにも分からない」
「……分からない?」
「数日前の雨の日に、公園のベンチに1人で座ってるのを見つけて……。あんまり自分のことは話したくなさそうだったから……」
正確には、話す時間が無かったと言っても過言ではない。