イケメン社長からの溺愛が止まらない
そこで私の手は、ピタッと止まった。
身体中にある数えきれないほどの傷跡。
逆に普通の肌の色を探す方が難しい。
それに、瘦せ細った体。
少し力を入れたら折れてしまいそうな……。
微動だに出来ずにいると、彼女の体が寒そうに震えた。
それを見て、ハッと意識を取り戻す。
今は、着替えさせるのが最優先。
服を脱がせて、タオルで体を拭いて、悠斗から借りたスエットを着せて……。
布団をかけたと同時に、2人が帰って来て。
私は点滴を繋いだり、できる限りのことをした。
部屋を出ようと濡れた服を持ち上げた途端、パタッと何かが落ちる音がした。
足元を見ると、生徒手帳が落ちていた。
私が拾うよりも早く手が伸びて来て、サッと生徒手帳が視界から消える。
「如月莉子」
噛み締めるように口にしたのは、生徒手帳を拾い上げた張本人の、悠斗。
勝手に人の個人情報を見るのは申し訳ないと思いながらも、私もそれを覗き込む。
生徒手帳には、生年月日なども書かれていて、彼女が高校2年生だということが分かった。
高校生がどうして、こんな時間にあんな公園に……。
と誰もが思っただろうけど、誰もそれを口にしなかった……。