イケメン社長からの溺愛が止まらない
「片想いの相手……。そうですか……」
女の人は冷たい声でそう言うと、私のことを上から下まで吟味するように見る。
茶色の髪に手をかけて後ろに払うと、彼女は小さく頭を下げた。
「初めまして。私は、西園寺花音です。西園寺グループの娘で、悠斗の婚約者でもあります。よろしくお願いします」
その言葉に頭の中が真っ白になった。
……婚約者……。
今まで婚約者がいるなんて、本人からも周りの人たちからも聞いたことがなかった……。
しかも西園寺グループって……大企業のところだ。
私なんかよりも、容姿も身分も……神楽さんにはお似合いだ……。
「……おねがい……します……」
小さな声で返し、頭を下げると、フッと上から嘲笑うかのような息が聞こえた。