完璧な社長は、私にだけ素顔を見せて溺愛する

「梓、俺は君を愛してる」

その瞬間、カフェの雑音が全て消えたような気がした。

「君と出会ってから、俺の世界は完全に変わった。もう偽りの自分じゃなく、本当の俺として君の前に立ちたい」

彼の瞳が、真っ直ぐ私を見つめている。

「俺は、君なしでは生きていけない。君といる時だけ、ありのままの自分でいられる」

「圭佑さん……」

「君だけを愛してる。もう誰にも君を渡したくない」

圭佑さんが席を立って、私の隣にやってきた。そして、私の手を両手で包み込む。

「結婚を前提に、俺と付き合ってほしい」

「……っ!」

「まだ早いかもしれない。でも、俺はもう確信している。君以外の女性と、人生を歩むなんて考えられない」

彼の真剣な眼差しに、私の涙が止まらなくなった。

「俺だけの、特別な女性になってくれないか」

「……っ、私も……」

私は震える声で答えた。

「私も、あなたを愛しています。あなたと離れてから、よく分かりました。私にとって、あなたがどれほど大切な存在だったのか」

圭佑さんの表情が、安堵と喜びで輝いた。

「あなたといる時の私が、本当の私なんです。もう、演技は必要ない」

「梓……」

圭佑さんは私を優しく抱きしめた。周りの視線も気にせず、ただ私を大切に抱きしめてくれる。

「私も、あなただけの特別な女性になりたいです」

「本当に?」

「はい。ずっと、あなたのそばにいたいです」

その瞬間、圭佑さんは私をより強く抱きしめた。

「もう離さない。絶対に離さない」

彼の腕の中で、私は初めて心の底から安らぎを感じた。

これが、本当の愛なのだと思った。
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