完璧な社長は、私にだけ素顔を見せて溺愛する

週末、私は圭佑さんと共に桐原家を訪れた。手入れの行き届いた日本庭園が広がる邸宅に、私は緊張を隠せなかった。

「大丈夫。俺がそばにいる」

彼の言葉に、少し心が落ち着いた。

玄関で出迎えてくれたのは、着物姿の圭佑さんの母親だった。

「圭佑、よく来たわね。そして……」

母親は私を優しい眼差しで見つめた。

「新谷梓さんね。ようこそ、いらっしゃいました」

「は、初めまして。新谷梓と申します」

私はドキドキしながら深くお辞儀をした。

「まあ、そんなに緊張しないで。さあ、どうぞ上がって」

母親の柔らかな笑顔に、私は少しほっとした。



応接間に通されると、そこには圭佑さんの父親が座っていた。

先日、圭佑さんと対峙したという、桐原グループの会長。

その威厳のある姿に、私は思わず身が引き締まった。

「父さん、紹介します。新谷梓さんです」

「初めまして、新谷梓と申します。この度は──」

「座りたまえ」

父親の低い声に、私は慌ててソファに腰を下ろした。

父親は、じっと私を見つめている。その視線は鋭く、まるで私の全てを見透かすようだ。
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