完璧な社長は、私にだけ素顔を見せて溺愛する

「新谷さん、君は圭佑と本当に結婚したいのか」

「はい」

私は目を逸らさずに答えた。

「圭佑さんを、心から愛しています」

「愛か……」

父親が呟く。

「圭佑は、会社も財産も捨てる覚悟だと言っていた。君は、そんな圭佑を支えられるのか」

その問いに、私は迷わず答えた。

「はい。圭佑さんがたとえ何もかも失っても、私は彼を生涯愛し抜きます。彼が偽りのない自分でいられるよう、そばで支えたいんです」

父親の表情が、わずかに和らいだ。

「圭佑、お前はいい女性を見つけたな」

「はい」

圭佑さんが誇らしげに答える。

「新谷さん、息子をよろしく頼む」

父親がそう言って、初めて微笑んだ。

「息子が、こんなに生き生きとした表情を見せるのは初めてです」

母親がそう言って、私の手を握ってくださった時、私の目から涙が溢れた。

「ありがとうございます。圭佑さんを、一生大切にします」
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