幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
「あそこのオウルカフェならコーヒー買いに行ったこと何度もあるけど、もしかして会ってたのかな」
「そうかもね! 平日は大体いるからまた来てよ」
「うん、絶対行くね」
ああ、この感じすごく懐かしいなぁ。
美鶴くんの穏やかで優しいところ、全然変わってないんだなぁと思ってすごく安心する。
美鶴くんが私のノートPCに視線を向けて訊ねた。
「それ……、もしかして今でも書いてるの?」
「えっ」
「もしかして既に書籍出してるとか?」
「違う! これはちょっと仕事で……」
「あ、そうなんだ」
美鶴くんは私が小説を書いていたことを知っている。
美鶴くんは読書が趣味で月に何冊も読んでいて、よく美鶴くんの部屋で読ませてもらったり小説談義に花を咲かせていた。
私が書いた小説を読んで褒めてくれたりアドバイスをくれたりもして、唯一小説のことを相談できる相手でもあった。
「小説書くのはやめちゃったんだ。やっぱり私には才能がないなぁって」
「そっか……」
「美鶴くんは? 自分では書かないの?」
昔は二人でリレー小説を書いていたりもした。
「僕こそ才能ないよ。それに書くより読むことの方が好きだから」
「最近何読んだ?」
「最近読んだのはね――」
美鶴くんには絶対知られたくない。
私がお姉ちゃんのゴーストライターをしているだなんて。