幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
お酒が進んでいるせいもあるのか、ひよちゃんはやたらとテンションが高い。
「望凪さん、お泊まりの準備をしておいた方がいいかもしれませんよ?」
「ちょっとひよちゃん! 何を言い出すの!」
まだ告白の返事すらしていない。
それどころか私は、美鶴くんのことが好きなのかどうかもよくわかっていないのに――。
* * *
土曜日、私は朝から緊張していた。
前日に新しい洋服を買ってしまったし、髪も久々に編み込みを入れてアレンジしてみた。
デートなんて久々だったので着ていく服がなく、慌てて買いに行ったのだ。
私がめかし込んで出かけるのは珍しいので、母にはすぐに「デート?」とバレてしまった。
「遅くなるの?」
「お、遅くなるかも……」
「そう、気をつけてね」
母はそれだけ言うと戻って行ってしまった。
姉があんなことになってから、母もずっと疲れた顔をしている。
姉をフォローするのに精一杯で、私のことなんて見えていない。
あんなことになっても、お姉ちゃんのことが一番大事なんだな。
やらせない複雑な思いを抱えながら、私は静かに家を出た。
いい加減こんな家、早く出て行こうと思った。
「望凪ちゃん、おはよう」
「えっ」
家を出て目の前に車が停まっていたので驚く。
運転席から窓を開け、美鶴くんがにこやかに手を振っていた。