幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜


 *


 映画館にやって来た。
 私が観たかった映画のことを話したら、美鶴くんも観たいと思っていたと言ってくれたので私のリクエストを叶えてもらう形となった。


「プレミアムシート予約しちゃった」


 美鶴くんは楽しそうにフフッと笑う。


「プレミアムシート?」
「広くてゆったりできるシートだよ。しかもドリンク付き」
「わ、いいね。ありがとう」


 プレミアムシートは本当に広かった。
 席と席の間には敷居があり、隣を気にする必要がない。
 荷物を置くスペースも充分にあるし、ゆったりと映画が楽しめそうだ。

 すごく魅力的だけど、映画館デートの定番のこっそり手を繋ぐ……なんてことはできなさそうだな。
 やだ、私ったら何考えてるの。

 子どもじゃないんだから……。


「どうかした?」
「ううん、何でもない!」


 席に座ると、もう隣が見えない。
 それだけ映画に集中できるということだけど、二人で来るとちょっと寂しい気持ちもある。

 映画始まるまでスマホいじってようかな、と思っていると隣からツン、と足で足を触られた。
 ツン、と触り返すとまた足でツンツンされる。

 な、何これ? と思いながら、しっかりドキドキさせられてしまう。
 しかも壁があるせいで美鶴くん本人の顔はわからない。

 手を握られるよりドキドキするかも……。
 なんて思っていたら照明が落とされ、その瞬間にピタッと止まった。

 それ以降は映画の世界にのめり込んでいた。


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