幼なじみの隠れた執着愛〜再会した彼は策士なCEOでした〜
食事代は美鶴くんが払ってくれた。
映画のチケットも買ってくれたから私が出すと言ったけれど、「デートなんだからカッコつけさせてくれ」って言われてしまった。
あの映画館で足ツンツンするスキンシップといい、何だか美鶴くん慣れてる……?
実際女性に慣れていても不思議はない。
行き交う人たちの美鶴くんに向ける視線にはずっと前から気づいている。
こんなに紳士的でカッコいいんだから、女性にモテて当たり前だ。
それなのに胸の奥がチクッとしてしまう。
「……望凪ちゃん? どうかした?」
美鶴くんが心配そうに私の顔を覗き込む。
気づけばいつの間にか車が停まっていて、家の近くまで来ていた。
そうだ、美鶴くんが送ってくれたんだっけ。
「もしかして、疲れた?」
「ううん、そうじゃないの」
「そう?」
「あの、美鶴くんってさ、すごくモテるよね」
「えっ」
きょとんとする美鶴くんの表情を見て、私は急に何を言い出すのだろうと焦った。
「ごめんね、急に。今日ずっと色んな人に見られてるなーって思って。さっきすれ違った女性はめっちゃイケメン! って言ってたよ」
「……そうなんだ」
何故か美鶴くんは少し暗い表情になった。
「容姿のこと言われるの、あんまり好きじゃないんだ」
「えっ! ご、ごめんなさい」
「あ、いや、違くて。ほら、僕昔はものすごく地味でダサかったでしょ?」
肯定するのは失礼な気がして黙っていると、美鶴くんは続ける。
「学生時代は女子からキモがられることが多かったんだけど、見た目を変えた途端にみんな反応が変わったんだ」