隠れ溺愛婚~投資ファンドの冷徹CEOは初恋の妻を守りつくす~
「あの頃ここで、君のおじいさんや職人さんに、色んなことを教えてもらったな」
「放課後は、いつも来てましたもんね」
「そうだな。でも本当は登校前にも来ていたんだよ。それで、早く学校に行けって、よく叱られたっけ」
あははと懐かしそうに笑う森野に、茉結莉は驚いてつい声を上げてしまう。
よく出入りしているとは思っていたが、森野がそこまで工場に入り浸っているとは思わなかった。
茉結莉は森野と顔を見合わせると、ぷっと吹き出してしまう。
二人はしばらく、くすくすと肩を揺らして笑い合った。
「全部が、大切な思い出だよ」
ひとしきり笑い合った後、森野が優しい声を出し、茉結莉の瞼に急に熱いものが込み上げてくる。
こんなにも大切に思ってくれる人がいるのに、会社は誰かのものになってしまうのだ。
(そして私も、恋も知らずに誰かのものになるんだ……)
茉結莉はしゃくりあげると、抑えきれなくなった涙を溢れさせた。
「何か悪いことでも言ったかな……」
突然隣で泣き出した茉結莉に、森野が慌ててハンカチを差し出す。
茉結莉は大きく首を横に振ると、そっとハンカチを受け取った。
「放課後は、いつも来てましたもんね」
「そうだな。でも本当は登校前にも来ていたんだよ。それで、早く学校に行けって、よく叱られたっけ」
あははと懐かしそうに笑う森野に、茉結莉は驚いてつい声を上げてしまう。
よく出入りしているとは思っていたが、森野がそこまで工場に入り浸っているとは思わなかった。
茉結莉は森野と顔を見合わせると、ぷっと吹き出してしまう。
二人はしばらく、くすくすと肩を揺らして笑い合った。
「全部が、大切な思い出だよ」
ひとしきり笑い合った後、森野が優しい声を出し、茉結莉の瞼に急に熱いものが込み上げてくる。
こんなにも大切に思ってくれる人がいるのに、会社は誰かのものになってしまうのだ。
(そして私も、恋も知らずに誰かのものになるんだ……)
茉結莉はしゃくりあげると、抑えきれなくなった涙を溢れさせた。
「何か悪いことでも言ったかな……」
突然隣で泣き出した茉結莉に、森野が慌ててハンカチを差し出す。
茉結莉は大きく首を横に振ると、そっとハンカチを受け取った。