隠れ溺愛婚~投資ファンドの冷徹CEOは初恋の妻を守りつくす~
ホシ音響は、今までスピーカー製造一筋で事業を続けてきた会社だ。
その技術を応用した別事業への参入など、今までの人員では考えもつかなかっただろう。
(技術に詳しいからこそ、たどり着いたような案……)
茉結莉がふとそんなことを思った時、目の前の大輔が気持ちを切り替えるように顔を上げる。
「俺は『茉結莉を守る』なんて言ったけど、結局はただのひとりよがりだって気がついた。悔しいけど、お前を本当に守れるのは三砂なんだと思う」
「大輔……」
「なんだかんだ言って、お前も三砂のこと気になってるんだろう? そういうのだけは、俺でもわかるんだよな」
大輔はあははとわざとらしく声を出して笑うと、勢いよくジャケットと鞄を手に取った。
茉結莉は次第に潤んでくる瞳を持ち上げる。
大輔は小さく鼻をすすりながら、茉結莉の隣に立つと、そっと茉結莉の頭に手を乗せた。
「お前も、もっと素直になって、幸せになれよ」
大輔はそう言うと、茉結莉の頭を勢いよくぐしゃぐしゃと振った。
「ちょっと、やめてよ」
茉結莉は、涙が零れそうになるのを大輔に気がつけれないようにと、わざと大袈裟に両手を振る。
「じゃあ、行ってくる」
大輔は右手を後ろ手に上げると、こちらを振り返らないまま事務室を出て行った。
その技術を応用した別事業への参入など、今までの人員では考えもつかなかっただろう。
(技術に詳しいからこそ、たどり着いたような案……)
茉結莉がふとそんなことを思った時、目の前の大輔が気持ちを切り替えるように顔を上げる。
「俺は『茉結莉を守る』なんて言ったけど、結局はただのひとりよがりだって気がついた。悔しいけど、お前を本当に守れるのは三砂なんだと思う」
「大輔……」
「なんだかんだ言って、お前も三砂のこと気になってるんだろう? そういうのだけは、俺でもわかるんだよな」
大輔はあははとわざとらしく声を出して笑うと、勢いよくジャケットと鞄を手に取った。
茉結莉は次第に潤んでくる瞳を持ち上げる。
大輔は小さく鼻をすすりながら、茉結莉の隣に立つと、そっと茉結莉の頭に手を乗せた。
「お前も、もっと素直になって、幸せになれよ」
大輔はそう言うと、茉結莉の頭を勢いよくぐしゃぐしゃと振った。
「ちょっと、やめてよ」
茉結莉は、涙が零れそうになるのを大輔に気がつけれないようにと、わざと大袈裟に両手を振る。
「じゃあ、行ってくる」
大輔は右手を後ろ手に上げると、こちらを振り返らないまま事務室を出て行った。