恋が愛になるまで
なのに、家に来てくれなくなったし、家に行っても「忙しい」「ごめん」の一言で勉強を教えてもらえなくなった。でも私も仕方ないと思っていた。なぜなら空はさらに色々な人に擦り寄られていたからだ。

高校に入った空はさらにモテていた。すでに社交の場に出ていた空を知らない人はおらず、文武両道でイケメン、しかも四ノ宮商事の御曹司と噂が広まっていた。私の中学校でも話題になっており、女子のみんながSNSに載っている盗撮の写真で毎日盛り上がっていた。

私の友達も「かっこいいよね〜!」って話しかけてきたけど、私は「盗撮の写真はいけないと思うな…」と言いながらもちろん幼馴染だってことは隠していた。

相変わらず学校では空を上辺でしか見てない人が言い寄ってくるらしいとおばさんが嘆いていたし、SNSには毎日盗撮された写真が載っているのだ。疲れているのだろうと自分を納得させた。

< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop