解けない魔法を このキスで
シンデレラの舞踏会
約束の19時より20分早く、高良は18時40分には『フルール葉山』のロビーに着いていた。
ソファに座り、スタッフやゲストの様子を見守っていると、エントランスにタクシーが横づけされる。
水色のスカートをふわりと揺らしながら綺麗な両足で降り立った女性に、高良は目を奪われた。
(そこだけ空気が浄化されているかのようだ)
そう思っていると、ロビーに入って来たその女性が美蘭であることが分かって息を呑む。
(こんなに美しいなんて)
ハイヒールを履きこなして綺麗な姿勢でロビーを横切ると、美蘭は一度立ち止まって大階段を見上げてから、ゆっくりと近づいていく。
高良は声をかけそびれて、その姿を目で追った。
美蘭は大階段の下まで来ると、そっと手すりに右手を載せる。
なにを思っているのだろう。
優しい微笑みを浮かべているその横顔は、気品に満ち溢れていた。
高良は立ち上がると、まるで吸い寄せられるように美蘭のもとへと行く。
「白石さん」
声をかけると美蘭は振り返り、ふわりと軽やかにドレスが広がった。
結い上げた髪は大人っぽく、頬はほんのりチークで色づき、艶やかな唇は色っぽい。
綺麗な長いまつ毛と、くっきりとした目元。
美蘭は少し潤んだ大きな瞳で、真っ直ぐに高良を見つめてきた。
高良の胸がドキッと跳ねる。
その瞬間、高良は紛れもなく恋に落ちた。
ソファに座り、スタッフやゲストの様子を見守っていると、エントランスにタクシーが横づけされる。
水色のスカートをふわりと揺らしながら綺麗な両足で降り立った女性に、高良は目を奪われた。
(そこだけ空気が浄化されているかのようだ)
そう思っていると、ロビーに入って来たその女性が美蘭であることが分かって息を呑む。
(こんなに美しいなんて)
ハイヒールを履きこなして綺麗な姿勢でロビーを横切ると、美蘭は一度立ち止まって大階段を見上げてから、ゆっくりと近づいていく。
高良は声をかけそびれて、その姿を目で追った。
美蘭は大階段の下まで来ると、そっと手すりに右手を載せる。
なにを思っているのだろう。
優しい微笑みを浮かべているその横顔は、気品に満ち溢れていた。
高良は立ち上がると、まるで吸い寄せられるように美蘭のもとへと行く。
「白石さん」
声をかけると美蘭は振り返り、ふわりと軽やかにドレスが広がった。
結い上げた髪は大人っぽく、頬はほんのりチークで色づき、艶やかな唇は色っぽい。
綺麗な長いまつ毛と、くっきりとした目元。
美蘭は少し潤んだ大きな瞳で、真っ直ぐに高良を見つめてきた。
高良の胸がドキッと跳ねる。
その瞬間、高良は紛れもなく恋に落ちた。