解けない魔法を このキスで
新たな夢と青天の霹靂
そこからは一気に話が進む。

美蘭が未散に相談すると「やりたい!」と目を輝かせ、改めて未散も入れた四人で打ち合わせをすることになった。

「新海ホテル&リゾートとしても、この話は進めて良いという結論に至った。責任者は私だ。これから社内でプロジェクトを立ち上げる」

高良の言葉に春日も頷く。

「こちらももちろん抜かりなく進めています。それで、一度このメンバーでミラノに視察に行きませんか? 春日ブライダルが提携している大聖堂と教会にご案内します。ホテルの立地の候補もいくつかご紹介しますので」

それはぜひ、ということで、早速四人は日程を相談する。
四人とも仕事が忙しいシーズンに入ったが、ゴールデンウィーク明けならなんとか調整出来て、5月中旬に1週間ミラノに行くことが決まった。

それまでに前倒しで仕事を終わらせようと、美蘭も未散も忙しくなる。
そんなある日。
いつものように仕事終わりに荷物をまとめ始めた未散が、「美蘭、ちょっといい?」と断ってから思いも寄らぬ話を始めたのだった。
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