解けない魔法を このキスで
「ずっと女の子をプリンセスにしてきたソルシエールの美蘭。今度は俺がソルシエールになるよ。君を世界で一番幸せなプリンセスにする」

そう言う高良に、美蘭はふふっと笑いかけた。

「ううん、あなたは魔法使いじゃない。世界で一番素敵な、私の王子様よ」

高良もふっと笑みを浮かべる。

「おとぎ話のプリンセスは、いつまでも幸せに暮らすんだ。俺は君を生涯かけて幸せにしてみせるよ」
「ありがとう、高良さん」

見つめ合うと、高良はゆっくりと顔を寄せ、美蘭の唇にとろけそうに甘いキスをした。

唇が離れると美蘭は照れたように頬を赤くして、そっと上目遣いに高良を見上げる。

「高良さん、やっぱりあなたは魔法使いみたい。だって一瞬で私を幸せな気持ちにさせてくれるから」

高良は優しい笑みを浮かべて美蘭に頷く。

「ああ、いつだって君を幸せにする。解けないこの魔法でね」

そしてもう一度、愛を込めて甘く優しい、魔法みたいなキスをした。
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