冷酷社長の極上笑顔は私が独り占めさせていただきます
4 冷酷な社長を怒らせてしまった!?
「……えっ!?」
「この劇団、好きだって言ってたよね」
私はおずおずと古東さんの手からチケットを受け取った。まず大好きな劇団の名前が目に飛び込んできて、小さく息を呑む。
この劇団を初めて観たのは小学生の頃だった。
当時、この劇団のミュージカルが全国で大流行し、私の住むこの街にも専用劇場があった。そこへ母に連れられて観に行ったのが最初で、そして最後だ。専用劇場は数年後、周辺地区の開発により閉鎖し取り壊されている。
でもあの素晴らしい体験は十数年経った今も忘れることができない。小学生だった私は、生のミュージカルの迫力に最初は圧倒され、次第に興奮し、最後には感動して涙を流していた。
その後もいくつかの演劇を観る機会があったけれども、これほどまでに心を突き動かされる舞台はなかった。
あのとき私の中に巻き起こった大きな感動が一瞬脳裏によみがえる。
「大好きです!」
思わず言葉に熱がこもった。それから「あっ」と思う。慌てて言い直した。
「この劇団が大好きなんです」
向かい側で古東さんがふき出す。
「ホント後藤さんって面白いなぁ。やっぱり君を誘うことにしてよかったよ」
「いえ、でも私、まだ行くとは言ってな……」
言葉の途中で古東さんが私の手からチケットを奪い取った。
「嫌ならいいんだ。でもこれさ、特別招待席なんだよね。こんな席で観る機会、なかなかないよ?」
私の喉がゴクリと鳴った。
古東さんの指の間でひらひらと揺れるチケットに目が釘付けになる。
「どうなの? 行きたい? 行きたくない?」
畳み掛けるように返答を迫られた。
私は一呼吸おいてから口を開く。
「この劇団、好きだって言ってたよね」
私はおずおずと古東さんの手からチケットを受け取った。まず大好きな劇団の名前が目に飛び込んできて、小さく息を呑む。
この劇団を初めて観たのは小学生の頃だった。
当時、この劇団のミュージカルが全国で大流行し、私の住むこの街にも専用劇場があった。そこへ母に連れられて観に行ったのが最初で、そして最後だ。専用劇場は数年後、周辺地区の開発により閉鎖し取り壊されている。
でもあの素晴らしい体験は十数年経った今も忘れることができない。小学生だった私は、生のミュージカルの迫力に最初は圧倒され、次第に興奮し、最後には感動して涙を流していた。
その後もいくつかの演劇を観る機会があったけれども、これほどまでに心を突き動かされる舞台はなかった。
あのとき私の中に巻き起こった大きな感動が一瞬脳裏によみがえる。
「大好きです!」
思わず言葉に熱がこもった。それから「あっ」と思う。慌てて言い直した。
「この劇団が大好きなんです」
向かい側で古東さんがふき出す。
「ホント後藤さんって面白いなぁ。やっぱり君を誘うことにしてよかったよ」
「いえ、でも私、まだ行くとは言ってな……」
言葉の途中で古東さんが私の手からチケットを奪い取った。
「嫌ならいいんだ。でもこれさ、特別招待席なんだよね。こんな席で観る機会、なかなかないよ?」
私の喉がゴクリと鳴った。
古東さんの指の間でひらひらと揺れるチケットに目が釘付けになる。
「どうなの? 行きたい? 行きたくない?」
畳み掛けるように返答を迫られた。
私は一呼吸おいてから口を開く。