冷酷社長の極上笑顔は私が独り占めさせていただきます
その後、社長は今夜と同じ、特別招待席の別日のチケットを古東さんに頼んであったのだ、と説明してくれた。
もちろんそれは彼がご両親の結婚記念日を祝してプレゼントするためのものだ。
入手しにくいチケットを準備してくれた幼馴染にお礼をするため、古東さんの会社に出向いた彼は、古東さんを優しく脅して今夜のチケットを奪ったのだと言う。
優しく脅す、なんてひどく矛盾しているけれども、社長らしいと思った。
私は二人のやり取りを想像して、楽しく幸せな気分になる。ミュージカルの幕は下りたのに、まだ夢の中にいるようだった。
それもそのはず。私と社長――じゃなくて、光輝さん――との恋はまだ幕が開いたばかりなのだから――。
翌週の月曜日、私のデスクに直通電話が来た。
めったにないことなので不思議に思いながら電話に出る。
『後藤さんね。お久しぶり。大迫です』
「大迫さん! ご無沙汰しております。あ、あの、この度は……お悔やみ申し上げます」
『恐れ入ります。後藤さん、社長室の仕事には慣れたようね』
「はい、おかげさまで、なんとか……」
電話の向こうから聞き覚えのある優しげな声が聞こえてくる。私は大先輩の声で一気に緊張してしまい、しどろもどろな応対をしてしまう。情けない。
だけど大迫さんはそんなことを気にかける様子もなく、意外なことを口にした。
もちろんそれは彼がご両親の結婚記念日を祝してプレゼントするためのものだ。
入手しにくいチケットを準備してくれた幼馴染にお礼をするため、古東さんの会社に出向いた彼は、古東さんを優しく脅して今夜のチケットを奪ったのだと言う。
優しく脅す、なんてひどく矛盾しているけれども、社長らしいと思った。
私は二人のやり取りを想像して、楽しく幸せな気分になる。ミュージカルの幕は下りたのに、まだ夢の中にいるようだった。
それもそのはず。私と社長――じゃなくて、光輝さん――との恋はまだ幕が開いたばかりなのだから――。
翌週の月曜日、私のデスクに直通電話が来た。
めったにないことなので不思議に思いながら電話に出る。
『後藤さんね。お久しぶり。大迫です』
「大迫さん! ご無沙汰しております。あ、あの、この度は……お悔やみ申し上げます」
『恐れ入ります。後藤さん、社長室の仕事には慣れたようね』
「はい、おかげさまで、なんとか……」
電話の向こうから聞き覚えのある優しげな声が聞こえてくる。私は大先輩の声で一気に緊張してしまい、しどろもどろな応対をしてしまう。情けない。
だけど大迫さんはそんなことを気にかける様子もなく、意外なことを口にした。