明治恋奇譚 〜藤堂様、ミエテマスヨ!~
玲子がちぎれんばかりに首を振る様子に、隣の将吾と尚文は目を丸くした。
「おい、大丈夫か?」
将吾が玲子の肩に手を添える。
「おじい様に、何か言われた?」
尚文が心配そうに覗き込む。
ふたりに訊かれても『どちらかに嫁ぐとしたらどちらが良い』などと一将に言われたとは、玲子の口からは言い難い。玲子がアワアワしていると、一将が話し掛けてくる。
『あの毒入り葡萄酒を、将吾が飲むのを防いだ玲子殿を、犯人が狙う可能性もござるとふたりに言え』
だが、今は、嫁入りとか、尚文か将吾か、などの言葉が玲子の頭の中をグルグルしている。恥ずかしいやら何やらで、テンパってわけがわからなくなっていた。
「な、何でもございません。む、虫が飛んでいただけです」
玲子の物言いに、『何を呑気な』と一将は目をむく。そして、何やらブツブツと、尚文と将吾へ念を送り始めた。
だが、残念ながら、尚文と将吾には一将の声は届かない。
「おい、大丈夫か?」
将吾が玲子の肩に手を添える。
「おじい様に、何か言われた?」
尚文が心配そうに覗き込む。
ふたりに訊かれても『どちらかに嫁ぐとしたらどちらが良い』などと一将に言われたとは、玲子の口からは言い難い。玲子がアワアワしていると、一将が話し掛けてくる。
『あの毒入り葡萄酒を、将吾が飲むのを防いだ玲子殿を、犯人が狙う可能性もござるとふたりに言え』
だが、今は、嫁入りとか、尚文か将吾か、などの言葉が玲子の頭の中をグルグルしている。恥ずかしいやら何やらで、テンパってわけがわからなくなっていた。
「な、何でもございません。む、虫が飛んでいただけです」
玲子の物言いに、『何を呑気な』と一将は目をむく。そして、何やらブツブツと、尚文と将吾へ念を送り始めた。
だが、残念ながら、尚文と将吾には一将の声は届かない。