聖女王子とスパダリ女騎士 ~王女の護衛のはずが、寵愛を受けています~
確かにその通りだ。彼の王女としての擬態は完璧で、男性の体を見た今でも信じられないくらいだ。
だが、確かに違和感はあった。女性にあるまじき筋肉の持ち主であるリーズロッテですら丸みがあるというのに、王女はどことなく直線的な体型で、触れたときにも硬いと思っていた。
第二王妃が始祖フェリクスの名をセカンドネームにしたのは、実は彼が男性だったからだろう。
「このタイミングで来るとは……伝言が行違ったか」
彼がひとりごちる。返事が求めてないだろうから、リーズロッテは答えない。
「俺が実は男であることは、亡くなった母上と現在の侍女頭、お前しか知らないことだ。漏らしたらすぐに魔術で殺してやる」
「口外などいたしません。騎士として国に忠誠を誓っております。国の治安を乱すようなことはいたしません」
「王室にではないのだな、国のためにならないのであれば王室にも歯向かうということだろう?」
この緊急の場面でそこに気付くとは、王女としての純真無垢な外見と違って聡い。
「これでいいか」
セリスティアはサイドテーブルに置いてあったペンダントを手にした。呪文を唱えてからリーズロッテの首にそれをかける。
「お前が秘密をばらしたら、このペンダントはお前の首を絞める。魔術をかけたから首からははずせない。俺を裏切ったときがお前の死ぬときだ」
「このようなものがなくても、私は口外しません」
「信用できん。国家ではなく、俺に忠誠を誓え」
彼の目がぎらりと光った。
瞬間、リーズロッテは目を離せなくなった。
彼の瞳にあるのはなにものをも焼き尽くす炎。その美しさに、魂がゆさぶられたかのようだ。
「母上は俺を生かすために俺を女として育てた。権力しか頭にない第一王妃が生んだのは、当時十歳の能無し王子。俺が男であれば必ずやあいつらの地位を脅かす存在になる。だから性別を詐称し、俺を守った。母の願いを叶えるためにも、俺は生き延びなければならない」
「そのような理由が……」
だが、確かに違和感はあった。女性にあるまじき筋肉の持ち主であるリーズロッテですら丸みがあるというのに、王女はどことなく直線的な体型で、触れたときにも硬いと思っていた。
第二王妃が始祖フェリクスの名をセカンドネームにしたのは、実は彼が男性だったからだろう。
「このタイミングで来るとは……伝言が行違ったか」
彼がひとりごちる。返事が求めてないだろうから、リーズロッテは答えない。
「俺が実は男であることは、亡くなった母上と現在の侍女頭、お前しか知らないことだ。漏らしたらすぐに魔術で殺してやる」
「口外などいたしません。騎士として国に忠誠を誓っております。国の治安を乱すようなことはいたしません」
「王室にではないのだな、国のためにならないのであれば王室にも歯向かうということだろう?」
この緊急の場面でそこに気付くとは、王女としての純真無垢な外見と違って聡い。
「これでいいか」
セリスティアはサイドテーブルに置いてあったペンダントを手にした。呪文を唱えてからリーズロッテの首にそれをかける。
「お前が秘密をばらしたら、このペンダントはお前の首を絞める。魔術をかけたから首からははずせない。俺を裏切ったときがお前の死ぬときだ」
「このようなものがなくても、私は口外しません」
「信用できん。国家ではなく、俺に忠誠を誓え」
彼の目がぎらりと光った。
瞬間、リーズロッテは目を離せなくなった。
彼の瞳にあるのはなにものをも焼き尽くす炎。その美しさに、魂がゆさぶられたかのようだ。
「母上は俺を生かすために俺を女として育てた。権力しか頭にない第一王妃が生んだのは、当時十歳の能無し王子。俺が男であれば必ずやあいつらの地位を脅かす存在になる。だから性別を詐称し、俺を守った。母の願いを叶えるためにも、俺は生き延びなければならない」
「そのような理由が……」